わが家はちびワン王国

我が家の女王、ただ今1歳半。家族は夫、妻、黒い犬、そして黒い犬。

なりたかったもの。なりたいもの。

小さい頃は「将来なりたいもの」がたくさんあった。

学校の先生、看護師、通訳、心理学に携わる仕事、歌手。思い出せるだけでこれだけありました。

昔から、何事も長続きしないし、言うことがコロコロ変わって結局どの職業にもつけなかった。夢ばっかり大きくて実現させるために何にもしなかった。漠然とどれかにはなれるんじゃないかと考えていた。

そのくせ毎日、のんべんだらりと暮らすことが割と気に入っていた。

 

そのうちなりたいものがなくなった。学校を卒業してからは毎日、仕事して家に帰ってご飯食べて、お風呂に入って、寝て、起きて、また仕事。たまに彼氏と遊ぶ。

 

その生活を続けているうちに結婚した。

私はお嫁さんになった。夫ができて犬を飼って新しい家族ができた。元の家族も大事だけど、優先すべき生活をすることになった。

 

⚪︎⚪︎さん(夫)の奥さんになってから数年。

私は母親になった。娘という新しい家族ができた。毎日、娘に振り回される生活をすることになった。

 

もうすぐ1年10ヶ月経つけれど、相変わらずわが家は娘中心にまわっている。

部屋は娘仕様のアンパンマンモデルだし、夫は毎日「どんぐりころころ」だとか「きらきらぼし」を歌わされている。私にいたっては先ほどおたまで頭を叩かれたのだ。あまりの痛さに泣くところだった。

 

娘がお腹にいる頃私は「ステキなお母さん」になるのだ、と思っていた。

昔と同じように、何もしなくてなれるんじゃないかと軽く考えていた。子供が夜中にどれだけ泣いたって笑顔で抱っこできると思っていたし、自分の身だしなみだってきちっとするのだと決めていた。

 

しかし、今のところどちらもできていない。泣き止まない娘にイライラするし、言ってもわからないってわかっていても怒ってしまう。怒るのではなくて叱りましょうって言われたけど、完全に怒っている。

 

「なんでそんなに泣くの!?」って思って、抱っこしてるから娘は余計泣き止まない。癇癪おこして物を投げる娘に「ダメって言ってるでしょ!」って言いながら「怒鳴るのがダメなのに。」って思っている。

 

正直、私は怠けている。疲れてくると泣いてる娘を少し放っておいたり、娘が起きてても寝てたりしている。「お母さんてこんなんじゃないよな。」って鬱々とした気分になることあるし、さらにそんな私にいつも通り笑う娘を見るとまさしく泣ける。

 

ステキなお母さんになろうって思った10分後くらいには私はやっぱりダメなお母さんだと真逆のことを思いながら、毎日暮らしている。毎日、毎日それの繰り返し。

 

そんなダメ母さんは本日、娘とプレ幼稚園に行った。

幼稚園の本コーナーから娘が2冊本を持ってきた。めずらしく絵本を読むのかなと思って見てみたら、「お母さん、頑張りすぎないで」ってのと「子供は毎日が旬」みたいなタイトルだった。

これ絵本じゃねぇ!って思ってたら、娘が私に渡してきたのは「お母さん、頑張りすぎないで」の方だった。自分はもう1冊を握って離さなかった。

 

周りに人がいたから「お母さん全然頑張ってないよ」って言いながら笑っといたけど、本当は泣きたかった。

娘が「お母さん、頑張りすぎないで」って言ってくれてるんだって思ったんじゃなくて、娘は私が頑張っていないことを知っているのだと思ったから。

そう思うほど私は自分がきちっとしていないことに罪悪感を感じている。

 

母親としてきちんとしなければと思って寛容なって娘に接するときもあれば、キャパが狭くなって何してもイライラしてしまうときもある。

それを娘は知っているんじゃないかと思ってしまったのだ。

 

私の思うきちっととはなんだろう。娘にどうしてほしいと思っているのだろう。娘をどうしようと思っているのだろう。

娘にあの本を渡されてからしばらく考えているけれどちっともわからない。

だいたい、娘をどうかしようと考えること自体おかしいのかもしれない。

 

でも、ふと思い出した。娘が持っていた本。「子供は毎日が旬。」

そうだ。娘は毎日が旬なのだ。話せる言葉もできることも毎日増えていくし、毎日毎日楽しくてしょうがないみたいな感じに見える。

旬な時を過ごす娘を見逃すのはもったいないことこの上ない。

そうだな。そう思うようにしよう。よし、これでいこう。ステキなお母さんはやめよう。

 

私は旬な娘を見逃さないお母さんになりたいと思う。

 

 

と無理やりこじつけたところで今日はおしまい。